TOP > UNITIMES > 光は健康の万能薬(第3回)
UNITIMES ユニタイムス
ユニタイムスは、あかりの専門家集団であるユニティが、あかりに関する様々な情報を独自の切り口で紹介するメディアです。
1.概要
光についての様々な研究の結果、最近になって光が健康に深く関係していることが明らかになってきました。健康という側面から見落とされていた光の環境について詳しく学び、わたしたちの生活習慣や住空間にどう反映できるかを考えましょう。
第1回では「光と健康の関係」について、第2回ではその具体例をご紹介しました。
今回は「光の質」のご紹介と「まとめ」をご案内いたします。
2.高演色の影響
さて、ここでは少し内容を変えて、光の色の話しではなく、光の質についてご説明いたします。
光の質は、「演色性」という値で評価されます。演色性とは、物の色の再現度を表し、光が物体にあたった時の鮮やかさに影響します。太陽光に近い沢山の光の成分が含まれる光は、演色性が高く、良い光というわけです。
最近の研究で、この光の質も人々の生活に影響を及ぼしていることが解りました。高演色(Ra97)のLED照明下では普通(Ra80)のLEDに比べ作業効率が向上することや、作業による疲労が少なく、集中度も高い傾向があります。高演色LEDは作業に対する集中を向上させ、作業による精神的疲労を抑制できる傾向がみられ、目の疲れも少ないため知的生産活動に良い影響をもたらす傾向があるという実験データがあります。(名古屋工業大学、神谷佑己ら2020)
3.まとめ
以上、光がどれほど健康に密接に関係しているかをお伝えしようと全3回に渡って書きましたが、以下に要点をまとめると、
・朝起きたらしっかり朝日を浴びて、できれば正午までに1000ルクス以上の太陽光に近い光を2時間以上浴びると良い
・夕方から徐々に温かみのある光色の中で過ごし、夕方以降は100ルクス、夜は10ルクス程度の明るさで過ごすと深い睡眠につながる
・寝る2時間前は、TVやPC、スマホやタブレットなどはなるべく見ない
・オフィスなど職場環境は従来の考え方で照明が設置されていることが多いので、引っ越しや改装のタイミングで、従業員の健康を守り作業効率アップにもなるサーカディアンリズムに配慮された光環境を整えることが大切
・在宅テレワークなどでは、光環境が働き易い状態になっていない可能性が高いので、高演色型スタンドライトなどの補助照明で補うと良い
となるわけです。途中で照明会社としてのおすすめも含みました。
自分の生活習慣を変えるだけで明日から改善できることもあれば、設備が関わるためすぐには改善できないこともあるでしょう。しかし、光が直接健康に影響することを知った今、ご自身の健康のためにもできることから直ちに行動を変えていきたいものですね。
WRITER
石本 研 代表取締役社長